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東京都中央区の歴史
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所在地 中央区築地3-15-1

 宗派    浄土真宗本願寺派

 寺号    本願寺築地別院(通称築地本願寺)



型破りな宗主・大谷光瑞と、のちに日本建築界の父と称される伊東忠太。二人の出会いが古代インド仏教様式の大寺院を生んだ。築地本願寺である。ビルの林立する都会で門戸を広げるこの寺には、早朝から多くの門徒が訪れている。

みどころ

 築地本願寺は正式名を本願寺築地別院といい、浄土真宗本願寺派の関東における拠点である。
ビルに囲まれた境内に、日本の寺院としては異色の古代インド仏教様式の本堂が構える。緑青色の半円形の屋根をもち、左右にはインドの仏塔を思わせるような塔が立つ石造りのお堂だ。大正12(1923)年の関東大震災で江戸時代の本堂が焼失。昭和9(1934)年に、西本願寺第22世宗主・大谷光瑞と建築家の伊東忠太によって建てられた。二人の出会いが生み出した稀有な建築物である。
 築地本願寺のある地はもともと海だった。江戸時代、寺を建てるために埋め立てられたのだ。埋め立てには真宗門徒だった佃島の漁師が協力。本堂の賽銭箱は佃島の門徒が寄進したもので、寺との縁を物語る。
 また、寺のそばには東京の食を支える築地市場がある。かつては日本橋にあったが関東大震災で倒壊。昭和10(1935)年築地に移された。さらに新しい市場の門前には場外市場がつくられた。そこはかつて築地本願寺の寺内町だった場所であり、いまも店の間に寺や墓所が点在している。

本堂

 独創的な本堂は、大谷光瑞と伊東忠太の共作ともいえる建築である。本堂を設計した伊東忠太は、明治神宮や靖国神社遊就館を手がけた稀代の建築家。彼は若いころ、法隆寺の建築の起源に興味をもち、アジアや中東、ヨーロッパを放浪していた。
 いっぽう、大谷光瑞は西本願寺の第22世宗主。彼は仏教の起源を探るべく、中央アジアやインドに学術探検隊を派遣していた。自ら参加することもあったという型破りな宗主だった。その探検隊の一行と伊東が出会い、やがて大谷と伊東は交流を深めていく。そしてうまれたのが築地本願寺の本堂なのである。
 広々とした道内は畳敷きではなく椅子が並ぶ。「日本人は正座から椅子に座る生活に変わる」と考えた大谷の発案だという。天井にシャンデリアが下がり、出入口の上部には教会のようにパイプオルガンが置かれている。まるで洋館のようだが、内陣は桃山時代の様式が取り入れられ、阿弥陀如来像を安置。欄間には富山県井波の職人による華麗な彫刻が施されている。さまざまな様式が融合した異空間だ。また堂内の随所には現実とも空想ともつかない動物の彫刻が見られる。伊藤が創造したものであり、中国やインドで知った仏教観が強く反映されているという。
 再建当初はその異形から門徒の反発もあったが、現在では都心のなかで強い存在感を放っている。

歴史

 元和3(1617)年、江戸の横山町(中央区日本橋横山町)に本願寺が建立された。浅草橋に近いため「江戸浅草御坊」と呼ばれた。その御坊は明暦3(1657)年の大火で焼失。「振袖火事」の撫で知られるこの火事は、江戸城本丸をはじめ江戸全土を焼きつくし、10万人以上の死者をだしたという。被災後、幕府は復興とともに町の区画整理を行い、御坊には八丁堀の海上が与えられた。そこを埋め立てて建てられたのが築地御坊、現在の築地本願寺である。築地の地名は、新たに築いた土地という意味をもつ。
 御坊再建には佃島(中央区佃)の漁師が尽力した。彼らは、徳川家康が江戸に入府するときに摂津(大阪府西部と兵庫県成区)から連れてこられたという。家康は江戸に集まる武士の食糧を確保するため、高い漁業技術をもつ漁師たちを呼び寄せたのだ。彼らのほとんどが摂津にいたころから本願寺の門徒であった。ちなみに、江戸に最初の魚河岸をつくったのも佃島の漁師だという。彼らは獲った魚類を幕府に献上し、余った魚を幕府の許しを得て日本橋のたもとで売っていた。そのうち魚市場が立つようになり、魚河岸へと発展したのだ。
 門徒に支えられて明暦の大火をはじめとし計7回も本堂を失った築地本願寺だったが、大正12(1923)年の関東大震災で再び焼失。昭和に入って当時の西本願寺の宗主・大谷光瑞と建築家・伊東忠太が古代インド仏教様式を取り入れた本堂を建立した。日本橋にあった魚河岸も移転し、築地の街は賑わいを見せていく。現在、築地には情報産業や医療などの先端技術も集積する。寺はその中心で多くの参拝者を受け入れている。

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